「質」の年

   2015/08/17

長谷部誠、ドイツ9年目は「質」の年。キャリア最高の昨季を超えるために。
引用元:Number Web 8月14日(金)16時31分配信
http://number.bunshun.jp/articles/-/823950

並の選手には持ちえないようなモチベーションと向上心をもって、長谷部誠はブンデスリーガ9度目のシーズンに挑もうとしている。

リーグ開幕を翌週に控え、今シーズンはじめての公式戦となったドイツ杯1回戦のブレーマーSV戦でも、長谷部は右サイドバックとして出場し、勝利に貢献した。

長谷部が2013年9月にヴォルフスブルクを離れた大きな理由の一つは、本職のボランチの選手としてなかなか扱ってもらえないことだった。当時のヘキンク監督に自分の希望するポジションを伝えても、多くの試合で右サイドバックの選手として起用されてしまう。かといって、自分の望むポジション以外で起用されたとしても、チームのために全力を尽くすという、サッカー選手として大切にしているポリシーを崩すわけにはいかない。

そうした葛藤のなかで2年前、チームの心臓として、つまり、中盤の中央のポジションの選手として必要としてくれる、ニュルンベルクへと戦いの場を移したのだった。

ニュルンベルクでは、シーズン後半戦は怪我のためにリーグ最終節のわずか1試合の出場にとどまった。それでもボランチとしての活躍が評価されて、昨シーズン開幕前にフランクフルトへの移籍が実現したのだった。

良いプレーが逆にボランチ起用を遠ざけているが……。

フェー監督が新たに就任した今シーズンは、プレシーズンからサイドバックで起用されることが多かった。長谷部が良いプレーをしていることを理由に、フェー監督が右サイドバックを補強するつもりはないことを明言したあとも、長谷部から困惑した様子やいら立ちなどが伝わってくることもなかった。

「こういうことはこれまでもけっこう経験してきているので。ヴォルフスブルクのときにも最後はずっとサイドバックをやっていた。だから、そのころよりは余裕があるかな」

落ち着いていられる理由の一つは、長いキャリアの中で様々な経験をしてきたことにある。今シーズンのフランクフルトはダブルボランチを採用する試合が多くなりそうだが、自身の望む中盤センターのポジションが2つもあるのに、そこで起用される機会は多くない。むしろ、右サイドバックで良いプレーを見せるほどボランチでの起用が遠のきかねない。そんな状況に対しても、長谷部は微笑みを浮かべ、こう話している。

「(現在の状況を)難しいと考えるか、チャンスと考えるかは、その人間次第なんじゃないですかね」

そして、一呼吸置いてこう答えた。

「サッカーに限らず、人生がそういうものでしょう。自分がやりたいことだけを出来るなんてことは少ないし。自分の望むところではないところで仕事を与えられて、どれだけやれるか。それが、その人間の価値になるとも思いますし」

ヴォルフスブルクで共に過ごしたフェー監督。

もちろん、落ち着いていられる理由はそれだけではない。

右サイドバックを本職とするチャンドラーが、アメリカ代表として出場していたゴールドカップから戻り、8月に入ってから練習に参加。チャンドラーも「開幕戦には問題なくプレーできる」と話している。フランクフルトは元々、右サイドバックの選手層が他のポジションと比べて薄いことが問題視されていた。チャンドラーが試合に出られる状態になれば、長谷部の扱いもまた変わってくるだろう。

そしてもう一つ見落とせないのは、フェーがヴォルフスブルクで指揮をとっていた頃、長谷部と共にプレーした経験だ。’09-’10シーズンのプレシーズン、前年度にチームをリーグ初優勝に導いたマガトからチームを受け継いだフェーは、おもに4-3-1-2のフォーメーションを採用していた。長谷部が起用されたのは、もっぱら、3ボランチのもっとも右サイドに位置するポジションだった。

このシーズンは、ヴォルフスブルクにとっても長谷部にとっても、初めてのCL参加だったのだが、怪我のために出遅れていたグループリーグ第1節以外は、長谷部はすべて右のボランチとして先発起用されていた。CL直前のリーグ戦での先発はなくとも、CLの数日前には主力組として軽めの調整をし、万全のコンディションを整えるように命じられたこともあった。そのことからも分かるように、信頼は厚かった。まるで、CLを制した’05-’06シーズンにバルセロナの指揮をとったライカールトが、左サイドバックにはリーグ戦で多く起用していたシウビーニョではなく、実績と経験があるファン・ブロンクホルストを決まって起用していたことにも似ていた。

「シーズンは長いから」

プレシーズンのキャンプ中に行なわれた練習試合では、長谷部はボランチとして起用されることもあったし、フェー監督とは自分の希望するポジションや考えかたについて、キャンプ中からこまめに意見交換もしてきた。だから、焦る様子はみじんも見られない。実際に、こうも話している。

「シーズンは長いから、ずっと自分が真ん中で出ないことはない、と思っているけどね」

盤石でブレることがない。落ち着いた状態で、ドイツに来てから9度目のシーズンを迎えようとしているのだ。

むしろ、いま、注目すべきは、今シーズンの彼がかかげるテーマの方なのかもしれない。

30歳にして自己最多出場だった昨シーズン。

昨シーズンの長谷部は、ドイツに来てから8シーズン目にして、1シーズンあたり最も多くのリーグ戦に出場した。

30歳で開幕を迎え、31歳でシーズンを終えた昨シーズンの長谷部は、33試合に先発した。イエローカードの累積により出場停止となった1試合以外のすべてで身体を投げ出し、チームを引っ張ったのだ。衰えなんて、とんでもない。進化している。そう感じさせるシーズンだった。

だが、8シーズン目で残した成績を超えるのは簡単ではない。昨シーズンの長谷部は怪我や体調不良で欠場した試合は一つもないわけで、昨シーズンと同等かそれ以上となると、かなりハードルが高いことがわかる。

となると、今シーズンは昨シーズンと同じようなパフォーマンスを維持することが目標となるのだろうか。違う。長谷部にとって、現状維持というのは甘い考えに過ぎない。彼はこう断言している。

「少しでもプレーの質を」

「昨シーズン、ずっと自分が試合に出してもらっているなかで、コンディションを調整することに意識が向きすぎた部分が少なからずありました。『怪我をしないように』と考えていくことで、自分がどういうプレーをしたらいいのか、あまり重きをおけなかった部分がある。だから、今シーズンは、少しでもプレーの質を上げていきたいと思っているんです」

サッカーは激しいボディコンタクトと多くの運動量を必要とするだけに、選手にとって齢を重ねていくことは、ともすれば肉体の衰えと向き合う作業にもなる。歳を重ねたあとに低調なプレーを見せれば「衰えた」と指摘される。だが、良いパフォーマンスを続けていけば、重ねた年齢は称賛されるべき一つの要素へと変わる。

周囲の喧騒と好奇の目をよそに、さらに前に進むためのテーマを掲げる。長谷部らしいといえば、そこまでだ。しかし、必ずしも自分の望み通りに進んでいないプレシーズン中に、そのようなことを語る。そこに、まるで木が年輪を重ねるように育んできたプライドと経験と、成長のあとが見てとれるのだ。

8.14開幕! スタメン? 控え? ブンデス日本勢の現状チェック|長谷部・乾・大迫・長澤
引用元:SOCCER DIGEST Web 8月14日(金)12時39分配信
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=10818

長谷部は右SBでの先発出場が有力。

長谷部誠(フランクフルト)
[開幕戦の展望]先発有力
vs ヴォルフスブルク(A)≪キックオフ:日本時間16日22:30≫

フェー監督を1年ぶりに呼び戻した今シーズンのフランクフルトは4-1-3-2システムの採用が濃厚で、アンカーは新戦力のライナルツが一番手。長谷部はプレシーズンマッチに続き、DFBカップ1回戦でも右サイドバックで先発出場した。

本職のボランチでプレーできない葛藤を抱えながらも、正確なクロスを撃ち込むなど与えられたタスクを忠実にこなしている。古巣ヴォルフスブルクとの開幕戦でも、4バックの右サイドを担いそうだ。

ただ、7月のゴールドカップ参戦で出遅れていたチャンドラーの状態が整えば、右サイドバックの控えに回る可能性も。

*他の選手についてはリンク先でご覧ください。

開幕直前 ブンデスリーガ「最新勢力図」 全18チームの力関係は? 王者バイエルンに迫るのは?
引用元:サッカーダイジェストWEB 2015年8月14日 配信
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=10823

絶対王者バイエルンと覇権争いを演じうるのは――。

(略)

 新監督の手腕が問われるのは、長谷部と乾がレギュラーに定着しているフランクフルトも同様だ。1年ぶりに呼び戻したフェー監督の下で、EL(ヨーロッパリーグ)出場権に勝点3届かなかった昨シーズンを上回る好成績を収められるか。

(略)

*記事全文はリンク先にてご覧ください。

  • 0 follow us in feedly
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。